クリトリスを刺激されたまま膣内に指を突き入れられた。といっても、それほど強引な挿入だったわけではない。
男の指に力は入っていなかった。愛液でたっぷりと濡れた膣粘膜は、男の指を容易く受け入れてしまった。
小夜子の膣内に侵入してきたのは中指だった。一本だけだが、クリトリスを同時に責められているせいか、その存在感は大きかった。
男が指を前後に動かすと、小夜子は淫らに悶えざるを得なかった。
「んんっ、くっ」
次第に嬌声がはっきりとしたものになっていく。
たまにクリトリスに触れられると、総身が大きく震えた。
四つん這いになって愛撫を受けているだけだというのに、身体中が熱くて仕方なかった。淫熱が小夜子の顔を真っ赤にし、生汗を浮かび上がらせていた。額には前髪が張り付いている。
クリトリスに対して、もったいぶった触り方をしていた男の手が、ついに本格的な動きを開始した。
壁にこびりついた汚れを落とそうとしているかのように、剥き出しのクリトリスを親指の先で擦ってくる。
もう片方の手で男は相変わらず膣に中指を出し入れしていたが、そちらもだんだん勢いを増していった。すぐに、高速ピストンと言ってもいいくらいにまでスピードが上がり、小夜子の膣粘膜を掻き乱すようになった。
男が指を引くたびに愛液がわずかに飛び散った。小夜子はまだイッたわけではない。なのに、際限なく溢れ出る愛液が掻き出され、床を濡らしていく。
そのことを小夜子はおおよそ感じ取っていたが、いちいち気にしている場合ではなかった。
男の意図は明らかに自分を絶頂させることにあり、そして自分は到底耐えることはできずにイッてしまう。すぐ先にある絶望的な未来に小夜子は恐怖していた。
ただ犯されるだけなら、身体を汚されるというだけのことに過ぎない。もちろん死ぬほど辛いことではあるが、心まで汚されたことにはならない。しかし、散々に感じさせられ、絶頂にまで達してしまったらどうか。身も心も征服されたに等しいのではないか……。
けれど、どんなに嫌がったところで、クリトリスと膣粘膜を同時に擦り上げられてはどうにもならなかった。
「や、やめてください、もうっ!」
「そのままイけよ、奥さん」
切羽詰まった小夜子を見下すかのように男の声は無感情だった。
「ああぁっ!」
これまでにも増して甲高い声を上げると、小夜子は全身を硬直させた。
絶頂を迎えた膣道は、男の中指を食い締めるようにして収縮した。
しかし男は指の前後動を止めようとせず、クリトリスもまた擦り続けた。
そのせいか、小夜子はこれまでの人生の中でも最大規模の潮吹きを披露することとなった。
噴き出した透明の粘液は、男の腕を濡らし、衣服に降り掛かり、辺りの床を水浸しにした。
その間、小夜子は濃厚な快楽に下半身を包まれ、頭の中を真っ白にしていた。何も考えられなかった。あまりに強烈な快感に支配されてしまい、この時ばかりは、いつまでも絶頂快楽が続けばいい、とすら思った。
絶頂に達したのは初めてではない。しかし、これこそが本物の絶頂だ。本能がそれを悟った。股間がとろとろの練り飴になってしまったと錯覚するほどの甘ったるい悦楽の前には、理屈での説明など全くの不要でしかなかった。
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