楓はソファに腰を下ろして言った。
「それじゃあ、とりあえずこれにフェラしてみて」
楓の指が、彼女の股間にそそり立っているディルドウを指す。
「まずは現時点のスキルを確かめてあげる」
「はい」
私はソファの前に跪いた。
フェラチオの経験がないわけではない。夫にしかしたことがなく、回数もそうこなしているわけでもないが、特に文句を言われたこともないので、下手という部類ではないはずだ。どちらかと言えば器用な方だし。
意を決して、ディルドウの根元を握る。
これまでペニスを握る時は、引き締まった肉体を身近に感じながらだったのに対し、今は、華奢な身体が目の前にあるだけだ。それなのに、ディルドウだけは夫並みに逞しい。その違和感は強烈だった。
しかも、控え室は蛍光灯の明かりが全開になっている。薄暗い部屋の中でしか行為に及んだことはないので、すべてがはっきりと見えてしまう中でのフェラチオには躊躇せざるを得なかった。
ふと視線を上げると、蔑んだ目で私を見下す楓の顔が見えた。
私は慌てて俯いた。17歳の少女の視線から逃れ、ディルドウと再び向かい合う。
やるしかない。
根元に手を添えたまま、思い切って顔を近付ける。先端を舐め、裏筋を舐め、また先端を舐める。
ゴムの味が不快だったが、我慢して舌を動かした。
そうしている間、楓は全くの無言だった。
それがなんだか不気味だったけれど、私は構わずフェラチオを続けた。
ひと通り舐め回してから、亀頭部分を口に含む。
普段なら、この時点で夫から優しい言葉を掛けられる。「気持ちいいよ」とか「男のツボが分かってるなあ」とか、そういう褒め言葉を。
しかし楓は相変わらず感想を口にしなかった。
私は先端を咥えたまま、ちろちろと舌を動かし、本物のペニスなら尿道口があるであろう箇所を刺激した。
ディルドウに楓の神経が繋がっているわけはないので、私の努力がどこまで彼女に伝わっているのかは疑問だが。
口での奉仕を続けながら、ディルドウを握っている手を上下に動かす。
こうしてしごいてあげれば、夫はそのうちに満足して、私をベッドに仰向けに寝かせて愛撫を返してくれるのだ。
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