遠藤教授は、赤くなったあたしのお尻を撫で回した。まるで触診しているかのように、教授の手の平が尻肌を緩やかに滑っていく。
自分の手で赤く染めたお尻の感触を確かめて、悦に入っているのだろう。
やがて教授の指はあたしの股間に伸びてきた。
これから老教授に身体を穢されるのだと分かっていても、四つん這いのまま大人しくしているしかない。
「…………っ」
教授にクリトリスを撫でられ、あたしは息を詰まらせた。
久しぶりの感覚だった。恋人との情事は約5年前から途切れているとはいえ、もちろん自分で慰めたりはしていた。しかし、自分の手で触れるのと他人の手で触れられるのとでは、全く違う。似てすらいない。別物と言っていいだろう。
当然ながら、自分で慰めるよりも、他人に慰めてもらう方が、遙かに気持ちが良い。あたしはそれを、好きな人に抱かれているがゆえだと解釈していたが、こうして教授にセクハラされている今も身体は敏感に反応してしまっているのだから、恋とか愛とかという類の感情は、快感を増す効果があるとしても、感じるための必須条件ではどうやらないらしい。
「んっ」
節くれ立った老人の指でクリトリスを擦られ、あたしは不覚にも官能の吐息を漏らしてしまう。
そのことについて遠藤教授に何か言われるだろうと思い、身構えたが、何故か皮肉を浴びせられることはなかった。
遠藤教授は、恋人を愛撫しているかのように、優しい手付きであたしのクリトリスを刺激し続けた。
そのやり方は、5年前に別れた恋人とそっくりだった。当時 付き合っていた彼は、自分勝手な面が目立つ男だったけれど、エッチの時は私を優しく導いてくれた。あたしが自分からペニスを求めたくなるまで、たっぷりと時間を掛けて前戯してくれたのだ。せっかちな彼の性格を考えると、結構な忍耐力が必要だったと思う。まあ、あたしを感じさせることで自尊心を満たしていたのかもしれないが。
遠藤教授も、当時の彼と同じように、じっくりねっとりあたしを責めていた。
指先でクリトリスをくすぐるように刺激したかと思うと、指の腹で軽く擦り上げたり、こね回したりしてくる。
相手が教授であることは常に頭の隅にあったが、それでもあたしは甘い快感に覆われた。
遠藤教授はクリトリスを弄くっているばかりではなかった。時にはクリトリスから指を離し、太ももを撫で回すこともあった。
その間、クリトリスを放置されたあたしは、もどかしさに腰を小さく揺すった。クリトリスへの刺激を催促しているようで恥ずかしかったが、官能への欲求の方が強かった。
さっきまで無様にお尻を叩かれていた時との落差が、余計にあたしの抵抗力を弱めていた。
屈辱的な痛みと、甘ったるい快楽。それらを与える順番とその効果もまた教授の計算通りなのかもしれない……。
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