子供ができてアパートが手狭になったので、思い切って一軒家を買うことになった。夫の年収から考えると、多少 無理をした買い物になったが、私も夫も後悔をすることはなかった。
駅に近く通勤の際も乗り換えのないという立地に夫は満足していたし、ご近所付き合いで上々のスタートを切った私も、新生活に不満は全くなかった。
家が広くなった分、掃除は大変になったが、専業主婦で日中は暇になることの多い私からすれば、むしろ掃除に遣り甲斐ができて嬉しいくらいだった。
すべてが上手く行っていた。夫の父が同居することになるまでは……。
私が反対すれば、義父と同居をせずに済んだような雰囲気があったけれど、良い顔をしたいがために認めてしまったのだ。それを私は一生後悔し続ける。
最初は義父も大人しくしていた。定年退職後は家に居ることが多く、家事をよく手伝ってくれた。
正直なところ、同居して良かったとすら私は思っていた。
しかし、義理の父と同じ家に住むようになってから、一ヶ月ほどが経った頃、彼は正体を露わにした。昼間に居間を掃除している私を襲ったのである。
私は抵抗したが、義父は昔 野球をしていて身体を鍛えており、還暦をとうに過ぎた今でも、機敏な動きをする。もちろん、老人の割には、だけれど。
女子高生の頃から運動が苦手だった私は、簡単に組み伏せられ、レイプされてしまった。
ろくに抵抗できなかったもうひとつの理由に、気が動転していたというのもある。全く信じられない思いだった。優しかった義理の父が、どうして強姦に及ぶのか。直前に見ていたテレビ番組の影響で、催眠か何かに操られているのではないかとすら思った。
しかし現実は非情で、義父は前から私の身体を狙っていたのだ。本人がそう言いながら私を犯したので、疑いようのない事実である。
幸いと言うか、当たり前と言うか、レイプの最中に私が快感を得ることはなかった。義理の父を押し退けようとしたり、逃げようとしたり、色々しているうちに疲れ切ってしまい、人形のような状態で仰向けになっているところを、犯されたのだが、その間、私はただただ疲れていて、荒い呼吸を繰り返しているだけだった。
掃除中に襲われたせいで、掃除機が私の横で転がったまま、五月蠅い音を立てていた。
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